日本プライマリ・ケア連合学会誌
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原著(研究)
沖縄県の離島における小児喘鳴発作頻度と製糖作業期間との関係 前向きコホート研究
太田 龍一向山 千賀子福澤 康典森脇 義弘
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2017 年 40 巻 1 号 p. 21-26

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抄録

目的:小児喘鳴発作とサトウキビ製糖作業との関係性を検討する.

方法:沖縄県南大東島の幼稚園,小中学校に通学する全児童167人を対象に,喘鳴発作を含めた毎日の症状の有無を前向きに収集した.喘鳴発作の発生率を2ヶ月ごとに算出し通年変化を検討した.また喘鳴発作の有無を従属変数とし,児童の背景因子を独立変数とするロジスティック回帰分析を行った.

結果:チェックシート回収率は62.5%,年齢の中央値は7.5歳,男女比は8:7,喘息既往者は36%であった.製糖作業期間である1-3月における喘鳴発作発生率はそれ以外の期間より有意に高かった.喘息の既往のない小児においても一定数の喘鳴発作がみられた.

結論:小児喘鳴発作発生率の増加とサトウキビ製糖作業の関係性が示唆された.

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© 2017 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
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