2019 年 42 巻 1 号 p. 9-14
目的:仙台医療センター総合診療科における高齢入院患者のポリファーマシーの現状を把握し,不適切処方の検討を行うことを目的とした.
方法:平成27年度に入院した65歳以上の全患者の持参薬を調査し,STOPP criteria version 2.を用いて潜在的な不適切薬剤(PIMs)を後方視的に検討した.
結果:136名中77名が薬物有害事象のリスクが増加する6剤以上を処方されており,75歳以上の高齢者で平均持参薬数は有意に増加した.また,PIMsに該当する処方が33症例で確認され,薬剤数に比例して該当症例は増加した.一方で,該当せずとも薬物有害反応を認めた症例もあった.
結論:本研究で,対象患者のポリファーマシーの現状が明らかとなった.ポリファーマシーの問題解決には,すべての医療従事者が協力して個々の患者の処方を見直す必要がある.