2019 年 42 巻 2 号 p. 92-97
目的:富山大学附属病院における総合診療部と専門診療科とのコンサルテーションの状況を明らかにし,その妥当性や改善点について検討する.
方法:2016年に富山大学附属病院総合診療部(当科)を受診した患者のうち,コンサルテーションを利用したのべ608件のカルテ記録から診療科別,目的別受診数,転帰を確認した.
結果:他科へコンサルトした492件中40%は精神,整形,耳鼻,皮膚科への紹介であった.診断のため紹介した395件中72%がコンサルト先の担当疾患であった.当科がコンサルトを受けた116件中66%は整形,精神,産婦,歯科口腔外科からの紹介であり,発熱と倦怠感が多かった(15.5%).
結語:総合診療医は整形外科,精神科などの診療スキルを高めることでより適切なコンサルトが可能になると思われた.専門診療科にとって特定臓器に絞りにくい症状は当科が窓口となっていることが伺われた.