日本プライマリ・ケア連合学会誌
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原著研究
老衰に肺炎を併発して死亡した際の死亡診断書記載についての調査~老衰の診断に関する郵送式調査より~
今永 光彦外山 哲也
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2020 年 43 巻 2 号 p. 39-43

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抄録

目的:老衰患者が肺炎を併発して死亡した際,在宅医は死亡診断書の直接死因にどう記載しているかを調査する.死因記載と関連する医師側の要因について検討を行う.

方法:全国在宅療養支援診療所連絡会の会員を対象とした郵送式質問紙調査を行った.

結果:有効回答数は470名(回収率51.8%)で,直接死因を肺炎と記載することが「常にある」95名(20.2%),「しばしばある」131名(27.9%),「時々ある」134名(28.5%),「ほとんどない」91名(19.4%),「全くない」19名(4.0%)であった.多変量解析の結果では,「女性」であると有意に直接死因を老衰と記載していなかった(OR:0.10,95%CI:0.01-0.71).

結論:老衰患者が肺炎の併発で死亡した際,死亡診断書の直接死因の記載にはばらつきがあった.また,医師の性別が死因記載に影響することが示唆された.

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© 2020 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
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