2020 年 43 巻 2 号 p. 35-38
社会調査とその統計分析を専攻してきた私が本誌優秀論文賞を受賞できたことは,現場の医師の先生方をはじめとした医療従事者の方々との緊密なコラボレーションの結果だと考えている.
本稿では,まずどのような背景から私が論文「高齢者によるケア活動は,生きがいにつながるのか? ―地域高齢者によるケア活動と主観的QOL(quality of life)との関連―」を投稿したのかを説明する.
次に論文の元になった研究をどのような手順で進め,その際に気をつけたことは何であったのかを,仮説の構築と検証の段階に分けてそれぞれ具体的に記載する.不完全ではあるが,現場の方々が研究を実施する際の,何らかの参考になればと考える.
今後,地域住民のQOLに配慮した地域づくりのためには,医療を中心とした学際的なコラボレーションがより重要となる.本研究がささやかながら,その一つのケースになれば幸いである.