2020 年 43 巻 2 号 p. 44-53
目的:青少年のインターネット依存傾向が問題となっているが社会的マイノリティに関する現状は不明である.本研究では,在日ブラジル人生徒の現状を調査する.
方法:A市在住ブラジル人生徒342人にポルトガル語の質問紙で,インターネット依存度(以下IAT),ネット利用時間,睡眠,うつ傾向(PHQ2)を評価した.χ2検定,ロジスティック回帰分析を用いた.
結果:回答率65%(222人).IAT50点以上と相関したのは睡眠7.5時間以下(オッズ比:0.38,95%信頼区間:0.21-0.68),平日のネット利用4時間以上(2.6,1.4-4.8),PHQ2が3点以上(6.2,3.3-11.5)だった.多変量解析でもPHQ2と平日の利用時間は有意だった.
結論:A市在住ブラジル人生徒のインターネット依存度には,平日のネット利用時間とうつ傾向が関連していた.