目的:看護小規模多機能型居宅介護(以下,看多機)における看護の利点,課題,工夫を明らかにする.
方法:関西圏の看多機の看護師11名に半構造化面接調査を行い,質的記述的に分析した.
結果:利点は【看護師の専門性・創意工夫が活かせる】【難しい事例でも在宅生活を継続支援できる】等5カテゴリ,課題は【判断・教育・協働が難しく看護職に負担がある】【介護職の教育・協働が難しい】等7カテゴリ,工夫は【事業所での勉強会や外部研修の知識やつながりを活用する】【看護師と介護職が統一したケアをできるようにする】等6カテゴリであった.
結論:看護師は創意を活かし,家族を含めて在宅中心の生活の継続を支援できることを利点とする反面,そのための判断・教育・協働が難しく負担があることを課題ととらえていた.看護の工夫には施設内外での研修や外部とのつながりの強化等があり,制度の見直しや看多機についての知識の普及が必要と考えられた.