2020 年 43 巻 2 号 p. 62-69
目的:がん終末期を自宅で過ごす子育て期にある女性患者の療養生活上の課題と支援の現状を明らかにする.
方法:がん終末期を自宅で過ごす子育て期にある女性患者を支援した経験のある訪問看護師3人に半構成的面接法を行い質的帰納的分類法でカテゴリを抽出した.
結果:課題では《支援体制が不足している》《病気の進行が早く療養者と家族の両方のニーズを満たすための時間が限られる》が抽出された.また,支援の現状では《時間と使えるサービスがない中で在宅療養を可能にするような支援をする》《子育て期にある療養者の状況の理解と意思決定支援》《子育て期にある療養者の苦痛を緩和できるよう支援する》《子どもも含めた家族の理解の確認と思いの表出を支える家族支援をする》が示された.
結論:支援制度の不足など子育て期特有の課題が示されたが,訪問看護師は子育て期であることを理解した上で支援を行っていたことが明らかとなった.