日本プライマリ・ケア連合学会誌
Online ISSN : 2187-2791
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原著(研究)
外来治療センターにおける診療看護師介入による診療の効率化:前後比較研究
津野﨑 絹代安達 杏菜和泉 泰衛
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2020 年 43 巻 4 号 p. 123-128

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抄録

目的:当院外来治療センター(以下センター)は内科系を中心に複数の診療科が利用しており,体調不良患者の診察待ち,各種処置,輸血等が行われる.診察までの時間や滞在時間が長くなる問題もあり,センターに診療看護師(NP)を配属する効果を検討した.方法:センターの利用者記録を元にNP配属前後の10か月間にセンターを利用した患者を対象として後方視的研究を行った.結果:センターの総利用件数は配属前13,154件,配属後15,257件と1日当たりの平均利用件数は有意に増加していた.一方,診察待ちで利用した配属前1,079名,配属後1,112名の比較では診察までの時間は短縮されていなかったが,滞在時間は約10分間有意に短縮され,入院した患者では滞在時間の平均は約30分間有意に短縮していた.結論:センターへのNP配属により診察待ちで利用する患者の滞在時間が短縮され,診療の効率化につながっている事が示唆された.

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© 2020 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
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