2021 年 44 巻 2 号 p. 59-67
目的:総合診療医が家業継承に至るまでのプロセスとその過程で継承者が感じる課題を明らかにする.
方法:日本プライマリ・ケア連合学会認定家庭医療専門医またはそれに準ずる者で,親族の医院を継承または継承に向けて勤務している者を同学会メーリングリストおよび個別に募集し,半構造化個別インタビュー調査を行った.録音データを逐語録化しテーマ分析の手法で解析した.
結果:対象者は12名,全て男性で,7名はすでに家業継承していた.対象者は幼少期より周囲から家業継承への暗黙の期待を受け,自ずと継承することがゴールになっていた.対象者は継承プロセスの主体性の欠如,医院の慣習・継続性,先代とのプロフェッショナリズムの違い,家族経営の複雑性に直面し,特に先代に対しては家族としての感情とプロフェッショナリズムの間で葛藤を感じていた.
結論:総合診療医が家業継承するプロセスとその間の課題,葛藤が明らかとなった.