2021 年 44 巻 2 号 p. 74-80
目的:エンド・オブ・ライフ期を自宅で過ごすことを希望する要介護高齢者に対して多職種が実践しているケアマネジメント内容を明らかにする.
方法:介護支援専門員,在宅療養支援診療所医師,訪問看護師等の計20名に半構造化面接を行い質的帰納的に分析した.
結果:多職種は,【在宅退院を可能にする支援】【望む暮らし・望む最期を実現できるケアチームの構築】【エンド・オブ・ライフ期全体を見据えた家族支援】【時期を逃さず意向をくみ取る意思決定支援】【望みの実現を目指した症状をコントロール】【エンド・オブ・ライフ期の受容に向けた精神面の支援】【スピリチュアル面の支援】が継続して提供されるようにしていた.
結論:多職種が自身の職域の役割の付加機能としてケアマネジメントを行うことは,継続性のあるケアが円滑に提供できることにつながり,地域包括ケアシステムの構築の一助となる可能性があると考える.