日本プライマリ・ケア連合学会誌
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原著(研究)
静岡市における死体検案事例の調査からみた孤独死定義の考察とコロナ禍前後の変化
牧 信行中谷 英仁浅田 彩乃
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2023 年 46 巻 4 号 p. 124-131

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抄録

目的:孤独死の構成要素を調査することで定義について考察し,コロナ禍前後の変化も調査する.

方法:対象は2017~2022年に検案・AIを行った患者で,うち自宅内死亡例を孤独死とした.死因,死後経過期間,同居者有無,生前の症状等を調査し,孤独死群と自宅外死亡群の比較,孤独死群の要素と死因の関連を分析した.

結果:孤独死129例と自宅外死亡41例を解析した.孤独死群は自宅外死亡群より若年だった.死後発見まで1日以上,独居,高齢者はいずれも孤独死の半数未満だった.死後1日以上経過例と高齢者では外傷が多かった.孤独死を含む検視事例数や死因はコロナ禍前後で変化はなかった.

結論:孤独死対策は高齢者,独居,死後長期間経過例に限定すべきではない.突然死以外の病死,高齢者の外傷,生前に症状や受診歴のある例等で死亡を回避できる可能性がある.孤独死の対策はコロナ禍に関わらず今後も重要である.

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© 2023 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
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