目的:孤独死の構成要素を調査することで定義について考察し,コロナ禍前後の変化も調査する.
方法:対象は2017~2022年に検案・AIを行った患者で,うち自宅内死亡例を孤独死とした.死因,死後経過期間,同居者有無,生前の症状等を調査し,孤独死群と自宅外死亡群の比較,孤独死群の要素と死因の関連を分析した.
結果:孤独死129例と自宅外死亡41例を解析した.孤独死群は自宅外死亡群より若年だった.死後発見まで1日以上,独居,高齢者はいずれも孤独死の半数未満だった.死後1日以上経過例と高齢者では外傷が多かった.孤独死を含む検視事例数や死因はコロナ禍前後で変化はなかった.
結論:孤独死対策は高齢者,独居,死後長期間経過例に限定すべきではない.突然死以外の病死,高齢者の外傷,生前に症状や受診歴のある例等で死亡を回避できる可能性がある.孤独死の対策はコロナ禍に関わらず今後も重要である.