抄録
近年,人工知能は医療分野においても大きな進展を遂げている.特に OpenAI 社が開発した GPT-4 は,日本の医師国家試験に挑戦し,見事合格ラインを超える成果を収めた.この技術革新により,AI の診断能力が実証され,医療現場での活用が一層期待されている.
一方で, 現在患者の病院訪問の最適化の需要が高まっている. 患者側では,緊急でない症状であれば不必要な医療費を抑えることができ,医師の不足が深刻化している病院側でも,医療リソースの有効活用が可能となる.こうした背景から,医療現場と患者双方にとって効率的で効果的なシステムが必要とされている.
そこで本プロジェクトでは,最新の大規模言語モデルを基盤にしたプロンプトエンジニアリング技術を駆使し,患者が病院に行く前に本当に必要かどうかを診断し,アドバイスを提供するシステムを開発した.このシステムは,ユーザーからの詳細な症状情報をもとに,AI が診断を行い,適切な医療アドバイスを提供する.これにより,患者は安心して症状を評価でき,医療現場の負担軽減にも寄与する.本システムは,患者と医療機関の架け橋となることが期待される.