言語研究
Online ISSN : 2185-6710
Print ISSN : 0024-3914
論文
韓国語における疑問文の形成と体言化
――慶南方言・済州方言の名詞述語疑問文と動詞述語疑問文を手掛かりに――
鄭 聖汝
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 157 巻 p. 1-36

詳細
抄録

韓国語の名詞述語疑問文は,元来コピュラなしの[名詞句+ka/ko]の構造を基本にしている。本論では,動詞述語疑問文の場合も,中世語から現代語に至るまで,疑問形式-ka/koの前にくる要素は名詞句相当であると主張する。重要なのは,動詞基盤の体言化辞-m, -n, -lと丁寧体疑問に用いられる体言基盤の体言化辞-sの機能である。議論を進める上で,Shibatani(2009, 2017, 2018, 2019)の新しい体言化理論がきわめて有益であり,中世語はもちろん,現代標準語,慶南方言,済州方言に見られる多様な疑問形の分布を包括的かつ統一的に説明できる。

著者関連情報
© 日本言語学会, 著者
次の記事
feedback
Top