主催: 日本地球化学会
共催: 日本化学会
アジア域より放出される人為起源エアロゾルや黄砂粒子は、北太平洋上へ長距離輸送され、外洋大気の放射収支や大気化学組成に大きな影響を及ぼしていると考えられる。2001年の春季に、西部北太平洋海域において大気エアロゾルの物理的、化学的、光学的特性に関する集中観測が行われた(ACE-Asia集中観測)。演者らも、日本列島近海の離島(利尻、佐渡、八丈、父島)を用いて大気観測網を設置し、大気エアロゾル及びその関連物質の連続観測を行った(VMAP観測)。観測は、エアロゾル中の無機イオン成分、微量金属成分、炭素成分などの化学成分と、粒子数密度などの物理パラメータ、オゾンやラドンなどの微量気体成分について行った。その結果、人為起源エアロゾルの輸送パターンと、これを促す特有の総観気象場を見出すことができた。また、硫酸塩や硝酸塩、炭素質成分の起源や輸送メカニズムについても解明する事ができた。