主催: 日本地球化学会
共催: 日本化学会
岐阜県瑞浪市で実施されている瑞浪超深地層研究所計画の一環として,立坑掘削が地下水の水質に与える影響を把握するために,地下の地質環境が擾乱される以前の地下水の水質を把握するための調査・解析を実施した。その結果,研究所用地周辺の地下水は,白亜系の基盤花崗岩を覆う第三系の堆積岩上部ではNa-(Ca)-HCO3型であるが,堆積岩下部と花崗岩中ではNa-CL型であることが分かった。また,後者のナトリウムイオン濃度,塩素イオン濃度は深度依存性を示し,深度と共に上昇する。これらのことから研究所用地周辺では,深部に存在する高塩素濃度地下水と,浅部の低塩素濃度地下水の混合により地下水質が決定していると考えられる。