抄録
近年、各地で地下水位の低下や地下水の水質汚染などが深刻な社会問題となっている。臨海部では、地下水の過剰採取により帯水層に海水が浸入し、地下水の塩水化が生じ、飲用不適、工業用水水質の悪化、農作物への被害等が生じている。これらの地下水質の劣化は,地表面における活発な人間活動に伴うものである。その結果,地下水の利用計画にも、種々の障害が生じている。地下水環境を保全するために,人間活動に伴う地下水環境への影響の程度を明らかにするための基本的な研究が必要となる。本研究は,生活空間での水環境を把握するために、鹿児島市における地下水中の化学成分を分析、解析した結果を報告する。