日本地球化学会年会要旨集
2004年度日本地球化学会第51回年会講演要旨集
セッションID: 1P39
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大気降水
西部太平洋上のAPOの緯度分布
*遠嶋 康徳向井 人史野尻 幸宏町田 敏暢
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抄録

APO(Atmospheric Potential Oxygen)は近似的には酸素と二酸化炭素の和として表される新しいトレーサーである。陸域生物圏での光合成や呼吸における酸素と二酸化炭素の交換の際には両者の増減が打ち消しあうためAPOは変化しない。つまりAPOは主に海洋からの酸素フラックスを反映したトレーサーとなる。そのため、大気中のAPOの分布は海洋炭素循環モデルや大気ム海洋間のガス交換パラメータの検証に非常に有用であると考えられている。モデル計算によるとAPOの年平均値は赤道域で高く、特に東部太平洋赤道域で非常に高い値を示し、高緯度になるほど低くなると予想されている。しかし、これまで低緯度帯における定期観測は非常に限られていた。本研究ではAPOの詳細な緯度分布を調べるために2001年11月より日米間および日豪間を定期航行する貨物船による大気試料のサンプリングを開始し、これまでの観測から赤道域におけるAPOの高まりを検出することができた。

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© 2004 日本地球化学会
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