日本地球化学会年会要旨集
2004年度日本地球化学会第51回年会講演要旨集
選択された号の論文の284件中1~50を表示しています
口頭発表
大気エアロゾルと前駆体の地球化学
アラユルニウム地球化学
陸水
  • Mostofa Khan M. G., 本田 由佳, 佐久川 弘
    セッションID: 1B01
    発行日: 2004年
    公開日: 2007/02/23
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    Dynamics and chemical nature of fluorescent dissolved organic matter (FDOM) were investigated in two river waters. DOC monthly and temporarily varied in the two river waters. The FDOM in the river waters identified three characteristic fluorescence peaks, indicating the occurrence of fulvic acids (peak F), fluorescent whitening agents (peak W), and protein-like substances (peak T). The FDOM in upstream and Ohta downstream contained the peaks F and T whereas Kurose downstream waters contained the peaks W and T. The ratio of fluorescence intensity for peak F or W with DOC (FI/DOC-index), diurnal variations and photo irradiation experiments for FDOM indicated that the chemical properties of FDOM in the Kurose downstream are different with those in the Kurose upstream and Ohta river waters.
  • 福島 和夫, 愿山 靖子, 幸田 英顕
    セッションID: 1B02
    発行日: 2004年
    公開日: 2007/02/23
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    長野県内の性格の異なる湖沼水約100_リットル_から,タンジェンシャルフロー限外ろ過により,分画分子量1,000以上の有機物(HMW-DOM)を数十_から_数百mg分離し,その化学的特性について比較検討を試みた.有機炭素換算でDOCの30-70%に相当する有機物が固体試料として分離された.炭素・窒素の安定同位体比では,富栄養湖で重く中栄養,腐植栄養で軽い傾向を示した.またC/N原子比では,富栄養湖で低く,腐植栄養湖で高くなり,HMW-DOMの起源もそれぞれの湖沼の湖内生産力に依存して変動することを示唆した.一方脂質組成においては,炭素数29のstigmasterolが卓越するという特徴的な側面が見られた.
  • 渡邊 大介, 大谷 恵子, 寺門 靖高
    セッションID: 1B03
    発行日: 2004年
    公開日: 2007/02/23
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    これまで六甲花崗岩地域における河川水の主要成分については数多くの報告があり、岩石からの溶出との関連について検討されてきた。しかしながら、河川水の溶存成分と岩石の風化や土壌との関係、また、希土類元素などの微量元素についての理解は十分ではない。本研究では、六甲花崗岩地域の河川水および土壌をサンプリングし、河川水中の主要成分および微量元素を測定した。また、土壌中に含まれる粘土鉱物の同定を行い、河川水と岩石・土壌との関係について検討した。
  • 児玉 竜, 福島 和夫
    セッションID: 1B04
    発行日: 2004年
    公開日: 2007/02/23
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    長野県には多様な地質が存在する。人間影響のない河川上流域では、河川水のイオン濃度が地質によって大きく影響される。そのため、さまざまな地質条件が河川水の化学組成に現れる。実際、長野県内の河川上流域のイオン組成を詳しく調べると、多様性に富むことがわかった。本報告では、長野県内の河川上流域のイオン組成が、地域によってどのような特徴を持っているのか紹介する。他方、岩石からのイオンの溶出には、二酸化炭素が大きな役割を果たしている。このことから、二酸化炭素を通気して、岩石からのイオンの溶出実験を試みた。今回は、花崗閃緑岩の溶出実験の結果を報告する。
  • 板井 啓明, 益田 晴恵, 三田村 宗樹, 日下部 実, 千葉 仁
    セッションID: 1B05
    発行日: 2004年
    公開日: 2007/02/23
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    近年世界の様々な地域から報告されている天然由来のヒ素による地下水汚染について、世界で最も規模の大きなヒ素汚染地域であるバングラデシュを対象に調査を行った。調査地域は首都ダッカの南東25kmに位置し、非常に顕著な汚染地域であるSonargaon地域である。雨季、乾季の二回にわたって地下水のサンプリングを行い、その化学・同位体組成を調べた。これらの結果から考察されるヒ素汚染地下水の形成機構について説明する。また汚染の季節的変化についても言及する。
  • 井岡 聖一郎, 岩月 輝希, 古江 良治, 彌榮 英樹, 水野 崇
    セッションID: 1B06
    発行日: 2004年
    公開日: 2007/02/23
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    核燃料サイクル開発機構は、東濃地域において実施した研究結果から、東濃地域における花崗岩深部地下水質はNa-HCO3型であることを提示し、その深部地下水の物理化学特性(pH・Eh)の支配要因の解析を実施してきた。しかしながら、瑞浪超深地層研究所内およびその近傍に掘削された観測孔から、堆積岩中の明世累層と土岐夾炭累層の境界付近から下層の花崗岩も含めNa-HCO3型ではなく、Na-Cl型の地下水が存在することが明らかになってきた。そこで本研究では、瑞浪超深地層研究所周辺における地下水のpHと酸化還元電位等に着目しNa-HCO3型とNa-Cl型地下水の差異について考察を行ったので報告をする。
  • 吉村 和久, 山本 綾子, 中橋 孝博, 西藤 清秀
    セッションID: 1B07
    発行日: 2004年
    公開日: 2007/02/23
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     シリアのシルクロード最西端のオアシス都市パルミラにおいて地下墳墓から見出された多数の人骨と歯には、高フッ素症の兆候が認められた。冬季に地中海からの水蒸気がレバノン山脈に雨をもたらし、それが地下水となってパルミラで湧出しオアシスをつくる。乾燥地域であるパルミラでは、水の蒸発に伴い溶存成分が濃縮される。パルミラ地域のカナートと、湧泉、浅井戸、深井戸あわせて13の天然水試料について分析を行ったところ、この地域に石灰岩が分布するために、カルシウムイオン濃度が高かった。また、フッ化物イオン濃度は0.3から3.0 ppmであり、ホタル石の溶解平衡によりフッ化物イオン濃度が制御受けていることがわかった。今から約二千年前においても、古代パルミラの人たちは3.0 ppmを超えることはないが、高フッ素症が発症するようなフッ素高濃度の水を飲用としていたものと推定される。古代パルミラ人の歯のフッ素濃度についても議論する。
  • 佐竹 洋, 中村 高志, 佐藤 康
    セッションID: 1B08
    発行日: 2004年
    公開日: 2007/02/23
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    富山県西部、庄川扇状地の地下水と周辺を流れる庄川・小矢部川について、その硝酸イオンの窒素同位体比を測定した。その結果、地下水の窒素同位体比の多くは3_から_4‰の範囲にあり、水田の肥料がその起源と考えられた。河川水の場合、庄川は‐2_から_‐1‰とほぼ自然起源であったが、小矢部川では最上流部の-2‰から最下流部の4‰へと上昇し、流域からの農業用水や生活排水の流入がうかがわれた。
  • - 兵庫県南部地震および鳥取県西部地震を例に -
    井上 睦夫, 中村 昇, 小林 俊則, 大谷 恵子, 杉本 幸司, 高久 雄一, 中島 剛, 小村 和久
    セッションID: 1B09
    発行日: 2004年
    公開日: 2007/02/23
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    地下水は我々の日常生活においても重要な位置を占めることから,その流動系を知ることは重要である.また大規模な地震が起こった場合,その流動系になんらかの変化がみられることがある.本年会では,1995年兵庫県南部地震,2000年鳥取県西部地震などを例にとり,その前後で採取された地下水の,異なる地球化学的挙動をとる出来るだけ多くの元素に注目した化学組成および同位体組成の経時変動を探った.その結果から,地殻表層部の地下水を取り巻く環境,およびその変化について議論する.
  • 國丸 貴紀, 濱 克宏
    セッションID: 1B10
    発行日: 2004年
    公開日: 2007/02/23
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    核燃料サイクル開発機構が北海道北部の幌延町において実施している幌延深地層研究計画では,地表から地下深部における地質環境特性の把握やモデルの構築を行うためのボーリング調査を実施している。地下水の地球化学特性は,地下水流動特性や滞留時間などに関する知見を得る手法として有効であり,その適用事例も多い。本件では,平成13年度より実施してきたボーリング調査により得られた,地球化学的な結果をもとに,本地域の地下水流動場の推定を行ったものである。
  • 高橋 嘉夫, 平田 多恵子, 加藤 憲二, フォーティン ダニエル
    セッションID: 1B11
    発行日: 2004年
    公開日: 2007/02/23
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    バクテリア細胞表面と水の間の希土類元素の分配を調べた.その結果、バクテリア細胞表面に対して中希土で極大を持ち、重希土側で大きく増大する分配パターンが得られた.希土類元素と様々な配位子との錯生成定数からこのパターンを検討した結果、バクテリアの細胞表面に存在するカルボキシル基とリン酸基との錯生成を仮定することで、この分配パターンが説明できることが分かった.またこの特徴あるパターンが天然のバクテリア相で見られるかどうかを確認するために、長野県中房温泉のバイオマット中の希土類元素存在度を調べたところ、実験室系での結果を再現したパターンが得られた.この結果は、希土類元素パターンが堆積物中の過去のバクテリア活動の指標になる可能性を示している.
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