抄録
腐植物質を始めとする溶存有機物は、多様な官能基を持つ物質であり、その吸着・錯形成能から自然界での物質移動の多くを担っている。溶存有機物は存在する環境により異なる構造を持ち、それが存在する環境において特有な作用を受け構造変化していると考えられる。本研究では、溶存有機物の加熱構造変化の過程で生成すると考えられる揮発性成分(VOC)に注目した。溶存有機物の代表として腐植物質を用いて、水熱加熱実験を行い、分解生成するガスを測定した。測定は、反応容器と直結した、同時多成分測定が可能な長光路ガスセル赤外分光装置を用いて行った。溶存有機物の加熱により、二酸化炭素、一酸化炭素の他に未同定のエーテル様物質、炭化水素などを検出した。溶存有機物の長期的変化の過程で,揮発性有機化合物を生成する可能性について報告する。