抄録
第四与那国海丘熱水活動域は沖縄トラフの南西端に位置する。水深は1300-1400mで,Tiger Chimney(328℃), Lion Chimney(326℃), Swallow Chimney(320℃), Crystal Chimeny(220℃), Mosquito Chimney(162℃)という5つの高温のベントサイトがある。本熱水系の特徴として熱水噴出孔の周辺から液体二酸化炭素が湧出することが挙げられる。2004年5月に第四与那国海丘で潜航調査が行われ,熱水およびチムニー試料の採取を行った。Mgダイアグラムから求めた熱水のエンドメンバーには溶存化学種に富むものと乏しいものの2種類があり,海底下で熱水が気液二相分離を起こしていると考えられる。チムニーに含まれる流体包有物の塩濃度の分析の結果,サイトによって塩濃度に大きな相違があることがわかった。また,塩濃度の低い流体包有物に伴って炭酸塩鉱物の沈殿が見られる。熱水の二相分離とそれに影響を受ける鉱化作用について報告する。