抄録
カルボナドダイヤモンドは中央アフリカ・ブラジルの漂砂鉱床で産出する天然多結晶ダイヤモンドであるが、その成因はいまだ明らかにされていない。本研究では、カルボナドの成因を明らかにするために、高空間分解能での分光測定(フォトルミネッセンス(PL)像、PLスペクトル、ラマンスペクトル)を行った。ラマンスペクトルの測定から、カルボナドの多結晶内部には残留圧力が存在することがわかった。このことは、カルボナドがその形成時に高圧環境下に置かれていたことを示す。次に、残留圧力分布をSNOMを用いて高空間分解能で測定したが、明瞭な圧力分布は見られなかった。このことは、カルボナドの表面では残留圧力が緩和されていることを示唆する。