抄録
ホットスポットはマントル深部に起源を持つ火山であると考えられているが、その起源は未だ明らかではない。近年では、Pt-Re-Os法からコア-マントル相互作用を受けた可能性が指摘されてきた(Brandon et al., 1998)。しかし、W同位体はコア_-_マントル相互作用によるものではなく、海洋底玄武岩のリサイクルの可能性を指摘している(Scherste`n et al., 2004)。ホットスポットがコア_-_マントル境界によるものか、あるいは地殻のリサイクルによるものかを区別することは、ホットスポットの起源を明らかにするだけではなく、地球内部の物質循環を理解する上で不可欠である。 そこで本研究では、放射壊変起源の182W/183W比と安定同位体(183W,184W,186W)を読み取り、地球内部物質循環について新たな制約を与えることを試みる。本発表では、基礎データの蓄積を目的として岩石標準試料中のW同位体組成の変動について発表する。