抄録
近年,ユーラシア大陸の内陸塩湖の湖底堆積物において海生藻起源と考えられているアルケノンが検出されている。本研究では中国東北部吉林省に分布する内陸塩湖である大布蘚(ダブス)湖において,日中共同で2本の堆積物コアを採取し,それらからアルケノンを検出した。そして,アルケノン不飽和指数(Uk37)から海洋と同様に内陸湖から古水温が復元できるかを検討した。その結果,海洋でつくられている水温_-_Uk37関係式を使った水温解析では著しく観測気象データと異なる結果が得られる。したがって,内陸塩湖では海洋とは異なる独自の水温_-_Uk37関係式を設定することが必要であることを確認した。また,塩分に関係してUk37が変化する可能性も指摘されていて,内陸湖環境でも塩分変化によるアルケノンの応答を検討した。