抄録
西部熱帯太平洋は地球上において重要な熱と水蒸気の貯蔵庫であり、気候変動や水循環の研究する上で重要な場所である。そこで、本研究は南シナ海南部で掘削されたMD972151コア中の脂肪酸の分析を行い、過去15万年間の分布を明らかにした。陸上高等植物起源である長鎖脂肪酸(C24,26,28)濃度は完新世よりも最終氷期最寒期(LGM)において高かった。この変動は海水準の変化が陸起源物質の流入に大きな影響を与えることを示唆した。また、LGMにおける長鎖脂肪酸の水素同位体比は海洋生物起源である短鎖脂肪酸(C16,18)よりも重い値を示した。