抄録
有機物の動態という観点から亜熱帯複合生態系(サンゴ礁、海草藻場、マングローブ林)の関係について検討するため、石垣島における各生態系の主要な一次生産者と堆積物の脂質バイオマーカー組成と有機炭素同位体比(バルク)を測定した。海草藻場の堆積物にはマングローブ由来のバイオマーカーが多く検出される一方、サンゴ礁の堆積物にはマングローブや海草由来のバイオマーカーが検出されないことが分かった。このことと有機炭素同位体比の分析結果から、亜熱帯複合生態系において海草藻場が陸起源有機物のシンクとして働き、サンゴ礁を富栄養化から保護していることが推定された。