我々のグループではこれまでに、機器中性子放射化分析を用いて、ハワイ沖深海底堆積物から選別した球粒試料約100個について、化学組成の測定を行ってきた。それらの中には、地球外起源と考えられる試料が存在することを確認している。本研究では、それらの球粒試料の化学組成の特徴から、コンドライト質隕石を球粒試料の主な前駆物質と考え、それらが大気圏突入時に加熱され、溶融し、再固化して球粒試料が生成する際に、金属相とケイ酸塩相の間の元素分別、及び金属相中における固相と液相間の元素分別が起こることを示すことにより、球粒試料の生成機構について報告する。