抄録
阿蘇中岳第1火口の南側火口壁には噴気地帯があり,活発な噴気活動を続けている.この噴気地帯の火山ガスの化学組成をFT-IR分光放射計を用いて1996年,1997年,1998年,2001年,2002年,2003年の計6回観測を行った.測定は,望遠鏡を装着したFT-IR分光放射計を中岳第1火口南西部のクレータリム上に設置し,そこから約250mはなれた噴気地帯を見下ろす形で行った.赤外光源には噴気地帯の高温地表面を使用し,噴気地帯と観測装置間にある火山ガス成分による赤外吸収を測定した.阿蘇中岳での観測では,SO2,HCl,HF,CO2,CO,COSとSiF4の7つのガス成分の検出した.講演では,6回の観測結果をまとめ,火山ガスの化学組成変化を検討する.