抄録
宇宙線生成核種7Be (T1/2=53.3d), 10Be (T1/2=1.5×106y)は高層大気で生成し、エアロゾルに吸着し移動する。大気中7Be濃度は南北両半球の中緯度にピークを持つ緯度分布があることが観測されているが、測定に加速器質量分析器を用いる10Beは測定例が少ないため分布等の情報は、ほとんど報告されていないことが現状である。そこで本研究では海洋研究所研究船白鳳丸KH03-1次航海(2003/6-9, 東部南太平洋), KH04-5次航海(2004/11-2005/3, 西部太平洋~南極海)において採取したエアロゾル試料の分析を行い、過去に測定された太平洋の10Be濃度と比較を行い、10Be濃度の太平洋における分布のパータンとその変動要因について考察を行った。