海底堆積物の地球化学的特徴は、堆積当時の海洋環境の情報をもたらす。このような化学的指標のひとつに、希土類元素(REE)パターンがある。しかし、REEパターンが有効な指標となるためには、堆積物中の続成過程において岩石中のREE濃度が変動しないことが必要である。そこで本研究では、REEパターンに対する初期続成作用の影響を調べた。 本研究の特徴は、(1)堆積物を酸分解することなくLaser ablation(LA)-ICP-MSを用いて堆積物中の特定の相に含まれるREE濃度を直接分析し、(2)XANES法を用いてCeなどの 酸化数を決定したことである。