ジルコンの地球化学的そして鉱物学的研究は岩石の熱史を理解するため,またUやPuなどのアクチノイド元素のコンテナとしての可能性を評価するために重要である。また,これまでの研究から粘土が放射性核種を固定するのに有効であることが示唆されている。これらのことを踏まえ,本研究では中央アフリカのガボン共和国バゴンベ天然原子炉に垂直に交差しているボーリングコアを用い,原子炉の上部に堆積している粘土層とその上部にある黒色頁岩層の境界付近から発見された著しく損傷を受けたジルコンに関して,高感度高分解能イオンマイクロプローブ(SHRIMP)による局所同位体分析を行い,U,Pb,REEの再分配挙動のメカニズムの検証と年代学的考察を行なう。