抄録
大気中の二酸化炭素濃度が1ppm変化するとミズゴケの炭素同位体比(d13C)がおよそ0.1‰変化する。この変化は、二酸化炭素濃度の変化に伴う炭酸固定速度の変化で生じるとされている。しかし、二酸化炭素濃度が高くなると炭酸固定速度がそれに比例して多くなっても、同位体比分別の変化の説明は簡単ではない。従来は、この変化は異なる同位体比を持つ端成分のミキシングでは説明できないとされ、代謝に由来するものとして取り扱われている。しかし、ミキシングでも、この変化を説明することができることを明らかにしたので、報告する。