抄録
東京都東部に位置する旧中川は、墨田区、江東区、江戸川区の境界に位置する閉鎖性河川で、20世紀初頭から諸産業が発達し、現在もその面影が残っている。
河川北部の東墨田地域は明治時代中期から皮革産業が盛んで、現在では減衰傾向にあるが、稼動している工場は少なくない。皮革産業では皮をなめす段階でクロム塩を用いる。
また、南部に位置する風の広場公園は日本化学工業のクロム塩製造の過程で出てくる廃棄物である六価クロム処理鉱滓が地中に埋まっている。よって旧中川は流域全体で六価クロム汚染が懸念されている。
また、流域周辺地域では有鉛ガラス加工工場などの多くの製造工場が稼動しているため、その他の重金属汚染も予想される。本研究では河川堆積物中の微量重金属元素分析を中心に、六価クロムの分別定量、堆積物中の微量重金属元素の挙動などについて分析を行った。得られた結果と環境基準値を比較し、またこれらの金属元素の堆積物中の挙動について検討を行う。