抄録
本研究は、硫酸還元と栄養塩の観点から、都市河川における人為的な影響を評価することを目的とし、典型的な都市河川である多摩川流域とその支流において、底質表層及び河川水を試料として採取、分析に供した。その結果、感潮域を除く中・下流域(淡水域)において、栄養塩としての硝酸イオンの定量値と、SO42-/Cl-比の間に、R2値0.8程度の負の相関が見られた。また河口から40km地点付近を境に、それより下流域で硫酸イオンの定量値に有意な減少が見られた(感潮域を除く)。硫酸イオンの減少が見られた地点は、浅川合流点付近の人口が密集している地域と合致していた。上記の結果から、人為起源と考えられる栄養塩の多い地域で、硫酸イオンが消費されていることが伺える。これらから硫酸還元の影響を断定することは難しいが、硫酸還元菌が有機物と硫酸イオンを消費し、嫌気的分解を行っていることを示唆していると考えられる。