抄録
日本海は周辺の陸地に半隔離され、現在の平均水深1.4 kmで、<130 mの浅い水深で他の海と繋がっている。そのため、日本海は第四紀後期の世界的な気候変動、特に海水準変動の影響をかなり受けた。海水準の低下と河川からの淡水の流入が成層化を引き起こし、深部では無酸素状態になった。そして、海水準の上昇により、津軽海峡から親潮が、対馬海峡から対馬海流が流れ込み、現在の状態になった。このような日本海の氷期-間氷期における古細菌の膜脂質由来のビフィタンの存在度から、古細菌の活動度の変化を見積もることを目的とした。ビフィタンの存在度には、日本海が成層していた氷期と現代では、明らかに違いが見られたことから、現代と氷期では古細菌の活動度が異なることが考えられる。