日本地球化学会年会要旨集
2008年度日本地球化学会第55回年会講演要旨集
セッションID: 2B03 20-09
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有機地球化学
クロロ色素とその誘導体(ポルフィリン)の安定同位体分析に基づく光合成システムの多元的解析
*柏山 祐一郎小川 奈々子力石 嘉人北里 洋大河内 直彦
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抄録
クロロ色素は、海洋の基礎生産者である光合成生物が普遍的かつ多量に合成するバイオマーカーである。すなわち、クロロ色素と堆積物中から見出されるそれらの誘導体は、炭素・窒素・水素を含む化合物であり、これらの安定同位体組成を理解することで、現在・過去の海洋環境を解析することが可能である。特に、分子レベルでの窒素同位体分析により、環境試料から光合成生物のみの窒素同位体比を復元できる数少ない化合物であり、海洋表層の窒素サイクルに関する知見を得ることができる。クロロ色素には、化学構造に違いにより認識されるいくつかの種類が知られている。各種のクロロ色素は、それぞれ特定のグループの光合成生物により合成されるため、バイオマーカー/同位体マーカーとして有効な起源特異性を持つ。本講演では、現在および過去の海洋堆積物から抽出された様々な種類のクロロ色素/ャ泣tィリンの分子レベル安定同位体分析を通した、過去の海洋光合成システムの多元的な解析例を紹介する。
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© 2008 日本地球化学会
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