Multi GASを用いたエトナ火山における火山噴煙観測に基づき、火山ガス組成を測定した。エトナ火山の火山ガスは、島弧火山ガスと比較すると水に乏しく、非常に多様なH2O/CO2. CO2/SO2比を持つ。これらの組成の特徴を、公表されているメルト包有物中の揮発性物質組成と比較し、火山ガス供給過程のモデル化を行った。火山ガス組成の内、CO2に最も乏しい物は、メルト包有物中溶存揮発性物質組成に近く、観測された組成は、その組成にマグマ溜まり内で共存していたと考えられる気泡を加えた物と整合的である。そのため、マグマ溜まり内での気泡-マグマの分別が火山ガス供給過程に重要であることが推定される。