抄録
大気気体成分を大量に取り込んでいると期待される中央モード水の形成域である北太平洋移行領域の冬季の直接通気層の最大ャeンシャル密度とその層内での気体成分の大気に対する飽和度の変動性を6か年の観測値に基づき解析した。その結果、中央モード水の最下層として定義した直接通気最大密度には±0.14σθの変動性が、またCFC-12のモード水内での飽和度には±7.3%の変動性が見出された。これらの水塊形成域での経年的な変動性が、亜熱帯域で見られてきたようなCFC年代やAOUの変動要因のひとつであると結論した。