抄録
過去の気候変動を復元するために、樹木年輪中の炭素同位体比を利用する研究が多く行われてきているが、どの環境要素による影響がより強いのかはまだ解明されていない。そこで、名古屋のクロマツの年輪セルロースの炭素安定同位体比を測定し、各気象データを独立変数とした重回帰分析を行った。解析の結果、名古屋のクロマツについては年輪成長期の相対湿度が最も相関の強い要因であることが示されたが、1970年代に予測値と大きな残差が見られる期間が存在し、この期間には気象要素以外の強い環境要因の影響があったことが示唆される。