沖縄本島の東方約360kmに位置する南北両大東島には,ケイ酸塩鉱物等の不純物をほとんど含まないドロマイト岩が石灰岩とともに広く分布している。これまでドロマイト化溶液の組成を解明する目的で,海水中に主要成分として溶存するイオンに着目して石灰岩及びドロマイト岩中の化学成分(Sr,Na,F,PO4)を分析してきた。しかし塩化物イオンと硫酸イオンは定量が難しく,これまで正確な定量値が得られていない。本研究では,この2種のイオンをイオンクロマトグラフィーで定量し,これまでに得られている化学成分含量とあわせて南北両大東島のドロマイト岩の生成環境について考察する。