抄録
太古代や原生代の海水組成を推定することは、地球表層や生命の進化に対して制限をすることが期待できる。しかし、これらの時代を通じた海水組成に関するデータは明らかに不足している。そこで本研究では、海水成分が保存されていると考えられる海洋底熱水変質作用によって形成された熱水性石英中の流体包有物の氷点と均質化温度を測定した。そして、得られた氷点をNaCl-CaCl2-H2Oの三成分系で近似して、それぞれの流体包有物Na、Ca、Clの濃度を推定した。その結果と現在の中央海嶺の熱水成分の分布を比較し、海水組成を推定した。