近年北極圏では、北極海の海氷の減少、ベーリング海の生態系の変化などの海洋環境の変化とともに、アラスカ・カナダ北部やシベリアの大陸氷河や永久凍土の融解など陸域環境の変化が報告され、地球温暖化との関連も指摘されている。この北極圏の陸域環境変動を復元する上で、縁海に流入・堆積する陸源物質の変遷の実態解明は重要である。本研究では、海洋堆積物中の陸源珪酸塩砕屑物のSrおよびNd同位体トレーサーを利用することにより、東シベリア・アラスカからベーリング海に流入・堆積する陸源砕屑物の経年変化を明らかにし、陸域環境変動の情報抽出を試みた。