日本地球化学会年会要旨集
2008年度日本地球化学会第55回年会講演要旨集
セッションID: 2P34 16-P02
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大気水圏とそれらの相互作用、気候変動
エアロゾル粒子中のカルシウム化学種の粒径依存性
*三好 拓朗高橋 嘉夫東 将之金井 豊張 仁健清水 洋
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抄録

大気エアロゾルの性状を表す因子は多数あるが、エアロゾル中の元素の化学状態を知ることは起源や動態、環境影響を明らかにする上で重要である。我々は天然系でのエアロゾル中の元素の化学状態を直接同定できる手法としてX線吸収微細構造(XAFS法)をエアロゾル試料に適用した(Takahashi et al., 2006, 2008.)。カルシウムはエアロゾル中の主成分であるが、鉱物エアロゾル(1-2 μm以上)中ではカルサイトとして大気中の硫酸を中和して石コウを生成し、酸性雨を抑制する働きがある。一方で、微小粒子(1-2 μm以下)中では有機酸と反応して存在している可能性もあり、発生源や大気中での他の物質との相互作用によってカルシウム化学種の粒径依存性も様々であると考えられる。本研究ではXAFS法を用いて中国と日本で粒径別に採取したエアロゾル試料中のカルシウム化学種を明らかにしその粒径依存性を調べ、カルシウム化学種の起源や反応過程について粒径ごとに議論した。

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© 2008 日本地球化学会
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