日本地球化学会年会要旨集
2008年度日本地球化学会第55回年会講演要旨集
セッションID: 1A03 21-03
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地球外および海底系熱水系有機物と生命の起源
有機物・微生物の宇宙曝露と宇宙塵・微生物の捕集(たんぽぽ)実験計画の概要
*山岸 明彦矢野 創小林 憲正横堀 伸一河合 秀幸橋本 博文山下 雅道
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抄録

「TANPOPO」(たんぽぽ、蒲公英、dandelion)は綿毛のついた種子を風に乗せて頒布し、その生息域を広げる多年草である。我々は、この名前のもと、ISS-JEM(国際宇宙ステーション・日本実験棟)上での微生物と生命材料となり得る有機化合物の天体間の移動の可能性の検討と微小隕石の検出および解析実験を提案する。我々は、超低密度エアロゲルを用いることで、微小隕石やその他の微粒子を捕集することが可能であると考えている。低軌道上で超低密度エアロゲルを一定期間曝露することで宇宙空間で微粒子を捕集する。エアロゲル表面と衝突トラックの顕微観察の後、エアロゲルの様々な解析を行う。。衝突トラックの詳細な検討により、ISS周辺のデブリのサイズと速度が明らかにできると期待される。エアロゲル中に残存した粒子に関して、鉱物学的、有機化学的、及び微生物学的な検討を行う。一方、宇宙環境下での微生物の生存可能性について検討するため、微生物を直接宇宙空間に曝露する実験も行う。同様に、宇宙環境下での有機化合物の変性の可能性を検討するため、有機化合物の宇宙空間への直接曝露実験も行う。これらの実験を行うための装置はすべて受動的な装置であり、そのための装置の基本構造、装置回収後の解析法も、既に確立されている。

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© 2008 日本地球化学会
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