還元的な気体である水素ガス(H2)は酸素の豊富に存在する海洋表層においても過飽和に存在することが知られている。しかしながら、海洋でのH2の挙動については充分な知見が得られておらず、その原因はいまだ明らかにされたとは言いがたい。そこで本研究では、沿岸域及び相模湾・伊豆黒潮周辺海域における海水中の溶存H2濃度の鉛直分布と、表層海水中の日周変動を観測し、溶存H2の生成・除去過程を把握することを目的とする。なお、同じく海水中の微量還元性気体成分で比較的研究の進んでいる一酸化炭素(CO)についても比較のため観測した。