抄録
近年、岩石試料の希土類元素定量にICP-MS が用いられることが多い。濃度測定のための試料溶液調整には、フッ化水素酸と過塩素酸や硝酸などを組み合わせた酸分解法がもっとも一般的に用いられている。しかし、この方法では二次的なフッ化物の沈殿が生成することが示唆されており(Boer et al., 1993; Yokoyama et al., 1999)、さらに酸性岩や堆積岩では、酸に抵抗性のある鉱物が含まれていることもある。本研究では、地質調査助発行の堆積岩標準試料を用い、「酸分解」と炭酸ナトリウムとホウ酸による「アルカリ溶融」を組み合わせ、岩石中の希土類元素の完全回収を試みた。その結果を報告する。