日本地球化学会年会要旨集
2008年度日本地球化学会第55回年会講演要旨集
セッションID: 3E06 13-01
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同位体で見る地球表層環境変動
マントルの進化とプレート・スーパープルームのダイナミックス
*小河 正基
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抄録
プレートテクトニクスと火成活動を含むマントル対流の数値シミュレーションを行い、以下のようなマントル進化の描像を得た。初期地球(冥王代から太古代初期)のマントルでは、マグマ・オーシャン消失後、豊富な放射性元素による強い内部加熱のため、オーバーターンが頻発し、「マグマの池」に代表される激しい火成活動を引き起こした。マントルは、この激しい火成活動による化学的分化にもかかわらず、オーバーターンによる強い撹拌のため化学的に均質化された。マントル・オーバーターンに伴って間欠的・カオティックにプレート運動が起こった。やがて、放射性元素の崩壊のため内部熱源が減衰すると、マントル・オーバーターンはやみ、沈み込んだ海洋地殻がマントルから分離し、下部マントル深部に安定なスーパープルームを形成するようになった。この結果、プレート運動も安定化し、持続的なプレート・テクトニクスが発現するようになった。
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© 2008 日本地球化学会
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