「たんぽぽ」計画の中で予定されている、大気圏突入前に宇宙塵を捕獲し地球に運び込まれる有機物分析と、生体関連有機物の宇宙環境での安定性を調べる曝露実験という2つのサブテーマに関わる地上模擬実験で得られた結果について報告する。二段式軽ガス銃を用いた宇宙塵捕獲実験では、不溶性有機物として存在するアミノ酸は、遊離のアミノ酸と比べ安定性が高いことが裏付けられたとともに、超低密度シリカエアロゲルを用いることにより宇宙塵を変成が抑制された条件で捕獲できることを確認した。また、原子状酸素による有機物の変成を調べるために、アミノ酸やタンパク質を曝露用アルミ板に詰め、曝露模擬実験を行った。AO照射量 8.2 × 1019 atoms cm-2の時、標準試料であるカプトン膜では約10%の重量減少が、芳香族炭化水素などには着色が観測された。