抄録
希土類元素の中でもEuは3価、2価の双方で安定に存在する。ここでEuの酸化還元反応の際に同位体分別が生じれば、Euの安定同位体比は他の希土類元素では見られない特異な変動を示すと考えられる。よって本研究では、酸化還元環境の変化に関連した岩石の起源や形成過程等の地球科学的現象解明を目的として、多重検出器誘導結合プラズマ質量分析計を用いたユウロピウムの安定同位体分析法を開発した。そして複数の試薬および標準岩石試料を分析し、分析精度の確認およびEu同位体比の変動が見られるかを確認した。その結果、試薬については誤差範囲を上回るEu同位体比の変動は見られなかったが、標準岩石試料では一部の試料で繰り返し分析の再現性を上回るEu安定同位体比の変動が確認された。従って、本実験方法によりEu安定同位体比の自然界における変動が識別可能な精度で測定できることが示された。