抄録
本研究では、Sr安定同位体の地質学的トレーサーとしての有用性を探索する目的で、機器的質量分別補正にdouble spike法を用いた表面電離型質量分析法によりSr安定同位体分析法の開発を行い、試薬試料および火成岩試料のSr安定同位体分析を行った。その結果、花崗岩および流紋岩は、玄武岩や斑レイ岩に比べ軽い同位体に富むSr同位体に富む傾向を示した。一方、Poitrasson and Freydier (2005)は、花崗岩に対してFe安定同位体の分析を行い、一部の花崗岩から重い同位体に富むFe同位体組成を報告している。この結果から、FeとSrの同位体分別は逆方向に生じる、あるいはFeとSrは異なる作用によって同位体分別を受けたことが示唆される。